(14) 杓で撒餌を追加打ち

6月26日日曜日は、久しぶりの晴天で木材港に釣行。

堤防の外側(南向き)が満員につき、仕方なく手前の内側についた。先客の爆弾釣りのご老人はパッとしない様子。

その後、一気にフカセ釣りが3組5人に増え、合わせて7人が並んだ。フカセの連中は、撒餌をどんどん打ち始めるが、釣れるのは、タナが深すぎなのか地球、アブラメ、豆アジ、金魚、名前がわからない黒い外道。

このひと月ほど、グレの釣果のない筆者も、豆アジだけで、グレらしきアタリのない時間帯が続いた。とにかく潮の流れが速く、撒餌が効く感じがしない。

撒餌がおよそ半量ほどになった時点で、それまでのかなりの遠投を改め、半分程度の地点に撒餌を杓で4、5杯固め打ちした。肩は全く痛みを感じない。コントロールも絶好調。例のバネカゴで撒餌を打った上に、1、2杯追加を打ち始めたところ、ハッキリとしたグレのアタリがきた。道糸がビシッと引っ張られ竿を握る手にかすかににグンとアタリが伝わる。1号のウキが沈み込んだのに合わせを入れると、まず、手のひらがヒット。続いて、25cm程度。

14時過ぎに帰宅。グレは刺身と煮付けに、豆アジは南蛮漬けに仕上げてから、プールで1時間半ほど汗を流し、夕食のビールは最高だった。

 

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(13) 鳩が竿を・・・

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5月半ばの休日、木材港の突堤で久しぶりにHさんと隣り合わせとなった。お互いパッとしない時間が過ぎて正午前になると、Hさんは道具をすべて堤防に置いたまま昼食を摂りにご自分の車に帰られた。

 

Hさんがいなくなった途端、数羽の鳩が道具の周りに集まり散らばったパン粉をついばみ始め、バケツに入った団子も区別なく食べ放題の状態になってしまった、のだろうと思われる。普段、爆弾釣りをする人たちは用足しなどでその場を離れる場合、爆弾バリがむき出しでは危険なことを心得ているので無造作に放置したりしない。だから無意識にというか、何となく団子のバケツの中に仕掛けの針を入れ隠す。

 

かねて、鳩が一斉に飛び立つ音は聞きなれている。その時も鳩が一斉に飛び立った。でもそのあとも、するはずもない羽ばたきの音が断続的に聞こえた。いつもとは違うと感じ、やにわにその羽ばたきの音がする方に目をやると、こともあろうに一羽の鳩が爆弾バリの仕掛けに絡まって、それから逃れようとバタバタしているではないか。バタバタすればするほど爆弾バリはあちこちに刺さるはずだ。どうか暴れないでおとなしくじっとしてくれ。とそんな思いが通じるわけもなく、鳩は糸を引きずったまま高く舞い上ろうとする。しかし、オモリや竿の重さでバランスを崩し堤防に落下、それでもなお逃れようとするが仕掛けが絡まったままなので同じ事を繰り返している。そして、鳩が外側の海の方に向かって飛び出し、糸に吊られ竿が引きずられズルズル堤防を這い、遂には堤防から海に落下。竿の重みで糸に引っ張られ鳩も落下、海面でバタバタ。竿は沈んでいく。あれよあれよという間におおごととなったのである。Hさんの竿とリールは、十数万円すると聞いていたので、なおさらである。

 

海に完全に浸かった鳩だったが、何とか海面から飛び立てたのだが、海の中に沈みつつある竿と、糸でつながったままだから上空に舞い上がろうとしてもどうしても引き戻される。生命力の凄まじさよ、それを何回か繰り返すうち、糸に引きずられたままの鳩が堤防まで舞いもどることができ堤防上に落下。ここで初めて、鳩を助けることができると判断した私は、バタつく鳩を抑えに駆け寄る。近くにいた少年も駆け寄り、竿がつながったままの道糸を手繰り寄せ始めた。このままだと、竿先がヤバイ、と思ったが鳩を助けたい一心で、まず鳩を押さえにかかったのである。

 

魚釣りをするから言えた義理ではないが、筆者は、猫を3匹飼っているので動物が悲惨な目に合うことに対し、やめてーかわいそう、助けたい、という思いは強い。いつもは、釣り人の足元まで平気で近寄り遠慮もなくパン粉をついばむ鳩だが、人の手のひらから餌を摂ることは絶対になかったので、かなり抵抗するかと思いきや、体力を使い果たし、もう一飛びする力もなかったのだろう、すんなりと両手に納まった。全身が塩水でびっしょりぬれていた。必死に羽ばたき続けた鳩の体温と心音が手のひらに伝わる。複数の爆弾バリが体のあちこちに刺さっているのではと心配したが、幸いにも鳩の片足にオキアミを付けるための10数センチの長さのハリスが一回転だけ巻き付き、単純にその先の針がハリスにチョンと掛かっていただけだった。つまり7本の針は、鳩のどこにも刺さっていなかったのである。でも、両手がふさがった状態では、鳩の足に絡まった糸を外すことが出ない。しかも、すぐそばで糸を手繰り寄せきった少年は、竿先を持とうとしていた。その持ち方は、一発で竿先が折れるであろう持ち方になろうとしていた。少年に何と言って竿の持ち方を制したか覚えていないが、とにかく、竿先が真っ直ぐ天に向かうように引き上げられ無事折れずに済んだのである。筆者は少年に対し、Hさんに代わり何度もお礼をした。少年の理解力も称えた。持ち主が戻れば本当に感謝されるだろうと付け加えた。その後、少年の母親と思しき方がやってきて、両手が鳩でふさがった状態を見て鳩の足から糸を解いてくれた。そして、「ウオリャー」と鳩を高く放り上げ、そこにいたみんなの笑顔で見送った。

 

 

 

小一時間して、昼食を摂り終え戻ってこられたHさんは、あのおおごとの事件を知る由もなく、何事もなかったかのように釣りを再開されたのである。しばらくしてからHさんに鳩の一件の一部始終を話したのだが、穏やかな日常に戻ってからの時間が経ち過ぎてしまい、何事もなかった感が邪魔をしたのかもしれない。Hさんは少年に対しても筆者に対しても感謝のかの字もなかった。その少年はというと、こちらを気にすることもなく遠くで家族と釣りを楽しんでいた。

(12) いつの間にか肩は回復していた。

3月20日は、先月28日に下見していた頴娃の釜蓋神社近くの、青年がせっせと木っ端を釣り上げていた場所にした。ここで例の仕掛けが通用するか、あわよくば、大物ゲットなるか試してみることにした。

 

釣り始めはちょうど満潮だったし、薄暗い時間帯だったので状況が分からないまま、沖狙いで遠投したが、迎い風の上、流れが速く釣りにならなかった。仕方なく、足元の入り江になっているところに仕掛けを入れた。すぐフグがヒット。それから次々と根がかりで針を2回、更に瀬がかりで仕掛けを1セット失った。潮が引いてよく見るとタナをひとヒロ取れないほど浅く、海の中は大きな岩が点在し、とても狭いことがわかった。

 

そこで仕掛けをフカセに変更しウキ下を1m程度にしたら、手のひらがヒット。次に木っ端、その次は手のひらと面白くなってきた。ほんの足元だから杓で撒餌を打つことに抵抗はなかったが、気付けばいつの間にか肩は回復していたのだ。

 

それにしても、付けエサがもたない。というかもろい。ハリに餌を付けるのに苦労する。半ボイルは、固い分付けやすいが、反応が鈍い。

 

 

 

21日は、木材港の奥で昨日の仕掛けのまま、フカセにした。杓で撒餌を打つ時の肩の痛みは全くと言っていいほどなくなった。何投目かにベラがヒット。タナをひとヒロ程度に浅くし撒餌が広範囲に飛び散るように海面に叩き付けるように打ったら、すぐに手のひらがヒット。それから次々と同じサイズが3枚上がった。この日は晴天だったので、撒餌の下でクロが湧いているのがかすかに見える。ここで大物をと、欲が出る。仕掛けをわざわざ例の仕掛けに変えて遠目に投入。が、アタリはあるが、まったくヒットしない。

 

 

 

ここで分かったことがある。フカセのウキは、G2。例の仕掛けのウキは、1号。この日のように撒餌の下でクロが湧いている状態で、クロが餌に食らいつく反応を見極めるうえで、二つのウキで大きな差が出た。

 

フカセのウキG2は、投入後間もなくクロが餌をついばむたびに敏感に反応しすぎて沈み始める。そして浮き上がってくる間もなく、ほとんど沈みっぱなし。ウキが完全に見えなくなるまでの速度がシュッと速ければヒット。遅ければ、掛かることはない。

 

一方、例の仕掛けのウキ1号では、クロが餌をついばむぐらいではほとんど反応しない。ウキが僅かに沈み込むときは、おそらく、クロが餌をくわえた時だろう。しかしウキの浮力抵抗があるので、すぐに餌を放してしまい、ウキが海面にピョンコンと戻る。そして連続して餌に食らいつこうとはせず警戒してしまうのだろう、ウキの反応は鈍い。つまり、より浮力抵抗を感じやすい1号のウキでは、クロが餌に食らいつく確率が低くなるのである。実際、釣果が示すとおりだった。

 

 

 

その後は、ボラが大量に出現し、久しぶりに捕食活性していたクロの群れは、パタッと姿が見えなくなり釣れなくなった。まだ、一年を通して経験したわけではないが、季節により邪魔者も変わる。それにより、釣れる時間帯も変わる。ボラがいなかった時期は、真昼間でも入食いしたのに、今は、朝の早い時間帯にしかこなくなった感じがする。

(11) 逆転

三連休の初日、3月19日土曜日、木材港の堤防突端。

 

いつものように爆弾釣り師が5,6人。

 

今日は、その爆弾釣り師たちの間に挟まった位置で釣ることになった。爆弾釣り師の右側のおじさんも左側のおじさんも、かなり手前に仕掛けを投入している。まず先に左側のおじさんがビュッとアワセを入れ、手のひらを上げた。今日は食いが立っているようで期待が持てそうだと思っていると、またも左側のおじさんが、木っ端を2匹立て続けに上げた。右側のおじさんは、団子を付け替えるペースが速い。でもまったく合わす動作をしない。

 

こちらは、いつもの遠目に仕掛けを投入する。しかし、エサはなくなるがクロらしいアタリがない。焦る。

 

今度は、右側のおじさんがアワセの動作。何と35cmほどの大物を上げた。焦る。

 

 

 

その後は左側のおじさんが2匹ほど木っ端を上げたが、他は自分も含め全くダメで早々に切り上げた。

 

いったい何がどうしたというのだ。自信喪失。

 

明日用の付けエサは、外れにくいものはないか時間をかけて吟味購入した。半ボイルも購入した。

(10) ついに春が来た。

3月12日土曜日は、ふたたび先週と同じ秋目に釣行した。先週は、例の仕掛けで何も釣れなかったので、折角遠くまで難儀してやってきたのに何も釣れないではやりきれない思いから、破れかぶれで爆弾釣りまで試し、やっとのことフエフキダイが3匹釣れた。そこでこの日は、喰い渋るクロが釣れなくても別の魚でも楽しめるのではとイメージが湧き、遠投カゴの仕掛けも準備していた。さっそくその仕掛けで釣り開始。でも、エサはなくなるが、大きな遠投ウキが沈み込むことはなく、何も釣れなかった。隣には、二人の爆弾釣り師が広角に竿を4本出していたが、見る限りあちらもまったくアタリがない。そこで例の仕掛けに替えたところ、一発目で木っ端グロがヒット。ビックリポンで、その場で小躍りした。笑いがこみ上げる。独り言でやったーと勝利宣言した。東シナ海でもこの仕掛けが通用したのである。さあここから爆釣か、と思われたが、この日はそれで終わった。

 

翌日の13日は、木材港に向かった。数人の爆弾釣り師が数人と、遠投カゴの仕掛けではあるが全然飛ばない孫とじいちゃんの二人組が真鯛の子や、フグを上げていた。それを見て今日もダメかも、と端からマイナスイメージが頭をよぎる。でも、いざ釣り始めると確かにアタリは頻繁にある。なので何となくこの2ヶ月あまりの絶不調期は超えたのかと思える感触。そしてその何投目かに、ウキが沈み、道糸がビシッと引っ張られ、竿先まで感じるアタリが来た。ついに春が来た。スカリを使う日が来た。その何投目か後にも一回り大きなクロが上がったのである。ちなみに、私の足のサイズは26cmだが、スニーカーの外寸は、28.5cmである。自慢になるが、他は誰一人クロの釣果はないのに自分一人だけしか釣れなかったのである。やはりこの仕掛けは間違いない。

(9)新聞の釣り情報につられ秋目に

3月5日土曜日は、木材港で相変わらずのボウズ。

 

新聞の釣り情報では、秋目でクロの釣果ありとのことだったので、Googleマップストリートビューを見ながら地磯でどこか海底が深そうなところを探し、正面岬という場所を見つけ出した。

 

3月6日日曜日は、早速その正面岬とやらに向かった。ナビも無く初めてだったので不安だったが、苦も無くたどり着けた。Googleマップストリートビュー恐るべし。駐車スペースも2台分の内、1台空いていた。ということは、先客がいるということで釣る場所が残っているかが不安だったが、とにかく崖下に降りるしかない。明け方の薄暗い中をここではなかろうかという崖の降り口から、先人たちが渡してくれているロープを手にズルズル滑るのを止めながら慎重に降りた。周りが暗いうちに見た崖下の景色は、とても遠くに感じたが、降りはじめて間もなく周りはすっかり明るくなり、釣り場までは以外と近くて難儀しなかった。

 

先客は、フカセの一人だった。遠目からでも何ともパッとしない様子が伺える。釣り場は、いくつかあったが先客と距離を置く位置にとった。早速いつもの杓で撒餌を打てない代わりの仕掛けで釣り始めるが、クロのアタリはない。チョコチョコしたアタリで餌が無くなることもあるし、そのまま戻ってくる時もある。タナを深くしてもまったくダメ。先客は、あちこち場所替えをするが何も釣らず昼過ぎには帰って行った。

 

竿2本まで深いタナを取ったが、実際は、もっともっと深いようで干潮になっても底は見えなかった。天気は、昼過ぎまで南東の風が強く雨、という予報はハズレ、雨はまったくと言っていいほど降らず昼からは穏やかに晴れてきた。晴天になり海中がよく見えるので、手前の波打ち際にできるサラシに撒餌を打つと、見たこともないような小魚が湧く。その奥にクロが湧いている様子はない。チョコチョコしたアタリで餌をとるのは何だろうか見極めるため、残り少なくなった撒餌を団子に練り、爆弾釣りをしたら、フエフキが釣れた。立て続けに3匹上がった。

 

これだけ深いと、遠投籠釣りも面白いかも。フカセをするにしても撒餌は、よりゆっくり降下し拡散するものも試してみたい。

(8)2月のクロ釣りは止めた方がいいのではないか。

新聞の情報では、南になるほどクロの釣果が良いので、どうも水温が低いのが悪いのではないかと思い、足が南に向かい、2月27日は頴娃の釜蓋神社近くまで出張った。

 

でも、場所が悪かったのか草フグに集られっ放しに終わった。

 

折角だから付近の釣り場も覗いてみたが、すぐ隣の瀬では一人の青年がフカセで木っ端も木っ端を入食い状態でせっせと釣り上げていた。また、開聞岳で一周してみたがほとんど車が止まっていなかった。唯一降りやすい西側で、全くダメだったとフカセのご老人が残念がっていた。話によると、遠投組は何枚か上げていたが、フカセ組は全滅だったとのこと。

 

 

 

翌28日は、どこも同じならガソリン代がもったいないので、木材港に向かった。

 

先端は人も多かったが、草フグが数匹転がされていたので、手前の内側で釣り始めた。とにかく何も餌をとらないので、タナを竿1本半程度に深くしたところ、真鯛の子がヒット。昼過ぎまで粘ったが、鳴かず飛ばず。先端の先客達が引き揚げたので、場所を変えてタナをそのままにした状態で、何と一投目にクロの手のひらサイズがヒット。しまった、最初からここに陣取ればよかったと悔やんでは見たものの、その後は真鯛の子が1匹だけ。でも明らかに草フグのアタリは少なくなったように感じたし、真鯛の子やクロのアタリが顕著になった気がする。しかし、右から左に流れが速く、餌の同調が悪くなかなかアタリに結びつかなかった。