(10) ついに春が来た。

3月12日土曜日は、ふたたび先週と同じ秋目に釣行した。先週は、例の仕掛けで何も釣れなかったので、折角遠くまで難儀してやってきたのに何も釣れないではやりきれない思いから、破れかぶれで爆弾釣りまで試し、やっとのことフエフキダイが3匹釣れた。そこでこの日は、喰い渋るクロが釣れなくても別の魚でも楽しめるのではとイメージが湧き、遠投カゴの仕掛けも準備していた。さっそくその仕掛けで釣り開始。でも、エサはなくなるが、大きな遠投ウキが沈み込むことはなく、何も釣れなかった。隣には、二人の爆弾釣り師が広角に竿を4本出していたが、見る限りあちらもまったくアタリがない。そこで例の仕掛けに替えたところ、一発目で木っ端グロがヒット。ビックリポンで、その場で小躍りした。笑いがこみ上げる。独り言でやったーと勝利宣言した。東シナ海でもこの仕掛けが通用したのである。さあここから爆釣か、と思われたが、この日はそれで終わった。

 

翌日の13日は、木材港に向かった。数人の爆弾釣り師が数人と、遠投カゴの仕掛けではあるが全然飛ばない孫とじいちゃんの二人組が真鯛の子や、フグを上げていた。それを見て今日もダメかも、と端からマイナスイメージが頭をよぎる。でも、いざ釣り始めると確かにアタリは頻繁にある。なので何となくこの2ヶ月あまりの絶不調期は超えたのかと思える感触。そしてその何投目かに、ウキが沈み、道糸がビシッと引っ張られ、竿先まで感じるアタリが来た。ついに春が来た。スカリを使う日が来た。その何投目か後にも一回り大きなクロが上がったのである。ちなみに、私の足のサイズは26cmだが、スニーカーの外寸は、28.5cmである。自慢になるが、他は誰一人クロの釣果はないのに自分一人だけしか釣れなかったのである。やはりこの仕掛けは間違いない。